漢方薬の写真

うちの娘(当時4歳、自閉症・積極奇異型、IQ65くらい)の場合は、
大柴胡湯(だいさいことう)と抑肝散(よくかんさん)を飲むことで
親と双方向の会話が出来るようになり、頑固な便秘も治って
だいぶ生活が楽になりました。

この喜びを、周囲のお母さんと分かち合いたかったのですが、
私のコミュニケーション能力では押しつけがましくなってしまい…。
この場を借りて、実際にあった効果や、入手方法をお伝え出来ればと思っています。

 お急ぎの方は、太文字の個所をどうぞ。

薬を探すことになったきっかけ

娘が4歳の頃、通っていた幼稚園の先生との相性が悪かったようで、
次第に癇癪を起すようになっていきました。

帰宅後、トイレに行くと必ずパニック状態になり、1時間以上
泣き止まないという、しんどい時期が続きました。

そして、ゴールデンウィーク明けからは登園しぶりが始まり、
制服を着せると脱いでしまうようになりました。

子供と自宅で過ごしているだけなら、そこまで大変じゃないのに
社会との接点を持とうとした瞬間、ものすごい壁が立ちはだかるなと感じていた時期です。
(今では外面を身に着けたので、自宅で過ごす方が余程大変です。)

先生からは「通わなくなったらそこで終わり」のような言い方をされましたが、
あの時やめておいて本当に良かったです。

あのまま二次障害をこじらせて、「先生」が嫌いなまま小学生に突入
していたら…本当の地獄はそこからだったろうなと思います。

漢方薬との出会いと効果

子供の登園渋りは人生で初めての経験だったので、途方に暮れ、
藁にもすがる思いで、良い方法は無いか探し回りました。

栄養を整えるという本もありましたが、この時点で既に偏食だったので、
良さそうなやつ食べないし(>_<)と諦めて、他の方法を探しました。

すると、飯田先生の「自閉症は漢方でよくなる!」という本が見つかりました。
(我が家は市の図書館に蔵書があったので、借りて読んでいます。)

どうやら、自閉症の子供は、交感神経が働き過ぎて過緊張の状態であることが多く、
それを漢方で緩めてあげると、落ち着いて、成長を始めることがある
という事のようです。

「大柴胡湯(だいさいことう)」と「抑肝散(よくかんさん)」を飲み始めてすぐ、
いちじく浣腸を常備するほど頑固だった便秘が解消され、
大体1日に1回は出るようになりました(やったー)。

「大柴胡湯」が元々便秘の薬であることが頷けます。
娘の場合は体質的に相性が良かったのか、副作用の腹痛や下痢も出ませんでした。

それだけでも、娘の生活はだいぶ楽になったと思うのですが、
飲み始めて2週間経つ頃、それまで一方的(娘 → 親)だった会話が
双方向(娘 ⇔ 親)になることが出てきました。

こちらが言ったことに対して、答えようとする意志を感じます。
これは効果があるなと思って、続けてみる事にしました。

それから5年が経ち、日常的なやりとりは問題なく出来ています。
たまに変な言い間違え(「起きる」を「寝る」と言ったり)はあるものの、
意思の疎通が大体出来るので、分かって貰えなくてつらい、といった様子はありません。

6歳の時点でIQは75程度となり、少しづつ成長している感じがします。

漢方薬の入手方法と保険適用

漢方薬をインターネットで入手するのは比較的簡単です。
大柴胡湯と抑肝散をWebショップで買うと、月額あたり約2600円で、
年額は約31200円です。(令和6年5月現在、1日1/2包ずつ飲んだ場合)

ただし、自閉症は慢性的な物なので、いつまで飲み続ける事になるかは分かりません。
長期服用となると保険適用の価格が有り難いですよね。

かかりつけの発達の医師が「大柴胡湯」を処方してくれれば
話は早いのですが、この薬は主に更年期などのイライラによる過食や、
便秘を解消する物として認知されています。

子供の疳の虫の薬でもある「抑肝散」と比べ、
処方して貰える可能性がぐーんと下がります。

実際にレビュー欄にも「大柴胡湯」は出してもらえなかったから
Webショップで購入した旨が書かれていました。

とは言え、かかりつけの病院で出してもらえたらラッキーで、
他の病院を探す手間が省けますので、一度ご相談されてみると良いでしょう。

出来れば飯田先生の「自閉症は漢方でよくなる!」を持参した方が良いと思います。
医師との交渉には、何らかの権威の後ろ盾が必要になる場合が多いです。

我が家は、「子供にそんな薬出さないよ」と
地元の漢方医に処方を断られて心が折れていたので、
かかりつけの病院で交渉する気力は残っていませんでした。

幸い、ぎりぎり通える範囲(片道100kmくらい)に、小児漢方外来のある
九州大学病院があったので、最初からそちらへ行きました。
(事前に、大柴胡湯の処方実績を電話で確認させていただきました。)

そちらに3~4か月ほど月1で通い、漢方薬の処方が決まってから
少し自宅に近い個人病院を紹介して貰う形となりました。

おすすめのチャレンジルート

1.かかりつけの発達の病院で、大柴胡湯と抑肝散を処方して貰えないか相談する(本の持参がおすすめ)
2.通える範囲で大柴胡湯と抑肝散を処方して貰えそうな病院を探す
  → 処方を決めてもらう
  → 近くの病院を紹介してもらう
3.インターネット等で自費で購入する

大柴胡湯を切らしたら

一度、自宅と近い通いやすい病院を紹介して貰った時に、
二週間ほど「大柴胡湯」を切らしてしまったことがあります。
(「抑肝散」は在庫があったので飲み続けていました。)

便通に関しては、残っていた「ミヤBM(酪酸の整腸剤)」のおかげか
2日に1回は出ていたのですが、話している内容が支離滅裂で、
何を伝えたがっているのか親が分からないといった状態になりました。

子供は分かってもらえないし、親は分からないしで、
親子共々ストレスがたまるので、よろしくない状況です。

急いで薬を処方してもらいに行き、飲ませたら、
無事何を言っているのか分かるようになりました。
どうやら、娘の脳の混乱には「大柴胡湯」が有効なようです。

飲める方法を探す

娘の場合、漢方薬をそのまま水で飲むのは難しかったです。
水に溶かしても、匂いを嗅いで嫌そうにしていました。

薬剤師さんにも「子供は普通飲めません」と言われ、
こんな所だけ普通じゃなくても…とか思いましたが、
子供はそのままじゃ飲めないのが普通だそうです。

親も試しに飲んでみましたが、匂いも苦味もありますし、
ざらざらした顆粒の感触で、呑み込みづらかったです。

それもそのはず、漢方薬は様々な薬の中でも、
抗生物質(苦い)を抑え、飲みにくさナンバー1だそうです(苦い+臭い?)。

これを飲みやすくするには、チョコレートやアイスなど
とろみのある甘いものに混ぜ込むのが一番良いそうです。

「おくすり飲めたね チョコ味」のような商品も頭によぎりましたが、
自閉症は急性疾患ではないので、1年中薬を飲むことになります。
1年中飲むことが出来る手間と経費の物を探す必要があります。

娘の場合は、ミロに溶いてあげると割とすんなり飲むことが出来ました(やったー)。
ココアでも飲めましたが、カフェインの量がミロより多いのか、
普段より自閉症感(脳が緊張している?)が強くなってしまいました。

その他、麦芽豆乳や青汁豆乳も試しましたが、漢方薬の匂いを
上手くマスキング出来るものは見つけられませんでした。

実際はミロだけだと甘みが付きにくいので、以下のような配合です。

大柴胡湯 ……………………… 1/2袋
抑肝散 ………………………… 1/2袋
お湯 …………………………… 大さじ3
※ここで少し時間をおいて漢方薬を溶かす
ミロ …………………………… 大さじ1.5
フラクトオリゴ糖シロップ ……… 大さじ1
ミヤBM ………………………… 1/2袋
豆乳 …………………………… 大さじ2

※漢方薬は量が少しアバウトでも大丈夫と医師に言われたので、目分量です。

(2個セット)

(12個セット)

テレビとの関係

漢方薬を飲み始める前に、実はリビングからテレビを撤去しています。
幼稚園から帰った後の癇癪があまりにもひどいので、
ストレスの原因になっていそうなものを取り除くことにしました。

娘は動画が大好きなので、テレビが目に入ると見たがる可能性が高く、
毎日暴れることになりかねないため、なるべく避けたい所でした。

別の部屋にテレビを移動した場合は、最初は暴れるでしょうが
次第に記憶が薄れていくかな?と思っての事です。
実際に初日は文句を言っていましたが、次第に言わなくなりました。

結果は驚くばかりで、テレビを無くしたその日からピタリと癇癪が無くなりました

娘の場合、幼稚園の段階であまりにテレビ漬けになるのは、
結構なストレスになっていたことが分かりました。(トータルで4時間くらいは見ていました)

我が家では、小学校に入学する頃、そろそろテレビが有っても
病的に見続けることはないかな?と思ってテレビを復活させました。

やはり見過ぎにはなりがちなのですが、実感タイマーが鳴ったら休憩する
というルールは何となく受け入れているようです。
「体に悪いので時々休憩するよう学校から言われています!」と
第3者パワーを活用しています。